皆様の快適で愉快なデジタル・ライフに貢献するべく、香港で働いている(あ)です。とはいっても、私個人はそんなデジタル・ライフは全く送っていないのですが。
仕事上、どうしても磁石を買わなくてはいけなくなりました。だれかが拝借していったのか、それとも私がどこかに置き忘れたのか、いつも使っていたものが見当たらなかったのです。少し磁力が強いものを使っており、加えてそれ専用の工具まで作ってしまっていたので、同じものを手に入れる必要がありました。そこで同僚に、どこで買ったのかを尋ねたのです。
返ってきた答えは「深水{土歩}」[しゃむすいぽ]でした。日本のマニア旅行客にはおなじみの香港の電気街です。地図をコピーしてきて店の場所を詳しく聞くことにしました。
ところが、どうも要領を得ません。
「たぶんこの辺だと思う」
「日本人のお前には見つけられないかもしれない」
などとネガティブな情報を言うのです。
そんなことを言ったところで行動しないと始まらないので、地図を見ながらその場所、鴨寮街という通りを訪れました。来てすぐに気付きました。通りに並んでいるのはお店というような立派なものではなく、雨がしのげる屋根と机だけからなる露店だったのです。日本の縁日とかお祭りとかで見かけるやつです。しかし、ここ香港ではこういった露店も建物の中にある店と変わりなく毎日普通に営業しているのです。
これなら確かに同僚たちが心配するのも分かります。急に移転していたり、なくなったりしていても全く不思議じゃない雰囲気です。
端から一軒ずつ露店を観察していくと、同僚が「この辺」と語ったところに確かにその店はありました。おじさんが二人で店番をしていました。黒っぽい焼き物の表面を持つものや、ピカピカ光る金属で覆われているもの、大きいものや小さいもの、様々な磁石が机の小箱に整理されて置かれています。というか何とその店では磁石しか取り扱っていませんでした。お客もいませんでした。
結局そこで同じ磁石を見つけて25個購入しました。25HK$(300円)でした。仕事で使うものなので領収書をもらいましたが、書類を書くのが面倒くさくなって自腹で払ったままです。机の中に未だに入っているその領収書を見ると、おじさんたち二人があの商売でどうやって生活をしているのか気になります。そして香港は奥が深いと改めて思うのです
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