2010年6月19日

昔話

 日本の会社で働いているとき、毎日昼休みにサッカーをしていました。今となっては想像できないことです。

 昼食を食べるとグラウンドに移動します。十人ぐらい集まったらすぐに試合開始です。チーム分けは決まっていて、若手チームとおじさんチームでした。真ん中あたりの年代の人が日によって若手に行ったりおじさんに行ったりして、人数の調整をしていました。私はいつも若手チームでした。そして敵チームには上司がいました。……何かすごい、としみじみ思います。

 技術はまるで無いものの、それなりに走り回る体力があったあの当時、若手チームでなりふり構わずにボールを追いかけるのが自分の役目でした。一方、おじさんチームのほうは体力をテクニックでカバーするというプレイスタイルだったような気がします。ある時私は自陣で守備をやっていました。そこに上司が走りこんできて、それに合わせるように遠くからパスが来ました。瞬間、私は上司の進路を妨害して、パスが通ることのないように――自分と同じチームの人がボールをクリアできるようにしました。
「どうしてボールを追わないんだよ!」
 上司のチャンスがつぶれた後、なぜか厳しく追及されました。

 試合中の掛け声のことも思い出します。
 不思議な伝統みたいなものが昼休みサッカーにあって、プレイヤーがゴール近くのいいところまで攻め込むと、味方が「最後まで!」と大きな声で応援するのです。「打て!」とか「シュート!」とかもあったはずで、それはわかるのですが、「最後まで!」って……。当時違和感があって、それで今でも強い印象が残っています。

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 ということで、細かいポイント勘定などは置いておいて、とりあえず日本代表には「最後まで!」という応援をしたい、と思います。