2009年3月1日

(HK)帰る人が多い

 パナソニックが新型インフルエンザの爆発に備えて、駐在員の家族を帰す(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090209-00000616-san-ind)なんてことを言い出していますが、あれってただの経費削減だよなあ、と思います。本当にインフルエンザが怖いなら、冬から春が危険なので、今さっさと帰国させればいいはずなのです。なのに『9月末までに』とか。

 民間企業が勝手に危険地域設定するというのもどうかなあ、と思います。香港政府はSARSの教訓で、鳥インフルエンザの対策や情報公開に躍起になっています。東に鳥の死骸が見つかれば入手してウイルスの有無を調べ、西に風邪がはやっている小学校があればすかさず休校にし、という具合に。そういう努力を否定されたように感じたのでしょうか、香港政府がパナソニックの行動に不快感を示している、といううわさもあります。

 今回のアクションにおいてパナソニックがシンガポールを除外しているというのも、香港政府が噛み付く原因かなあ、と感じます。確かに中国に接している分香港のリスクが高いのはそのとおりです。でも都市国家としてライバルのシンガポールが『安全』認定されれば、香港は黙っていないでしょう。この辺うわさに詮索を重ねているので戯言にすぎませんが。

 そもそも、
「じゃあ、私たちは鳥インフルにかかって苦しめってことですか」
 そういううがった見方をわれわれ他社の人間はしてしまいます。こっそりやればよかったのに。


 でも最近帰る人が多いというのは事実です。
 香港に長くいる人から1997年の話を聞いたことがあります。あの年ヤオハン倒産と山一證券倒産がありました。両社とも結構な人数を香港に送り込んでいたそうです。そして倒産によって、勤め先がなくなった状態で帰国することになった人がたくさんいた、とのことです。
 話を聞いたとき、その人は「送別会がお葬式みたいでね……」と言っていましたが。
 今年はそこまでの悲壮感はないように感じますが、しかし先行きの見えなさという意味では互角の勝負なのかもしれません。

 私はまだしばらくこちらにいます。