2007年2月13日

(Japan)そういえば明日は

 香港の人々と一緒に出張で日本に来ています。冬は香港と日本で気温差が大きく、加えて今滞在している地方は雪が普通に降る地域なので、一番厚いコートを持ってきたのですが、やっぱり暖冬なんですね。移動中のどこにも積もった雪は見かけませんでした。


 ミーティングの後にディナーという名の飲み会が用意されていて、ビールを飲んだり鍋をつついたりしました。日本人側が香港人側に英語で話題を振っているのを、横で眺めていました。決してつまらなかったわけではなく、本日の主賓は香港から来た人々であり、そうすると日本人である自分は除外されているような気がしたので。隣に座った日本人とずっと日本語で話しつづけることもできたのですが、場の雰囲気というのを個人的に大事にしたく、彼らが楽しく英語で話しつづけてくれればいいな、と思ったのです。時々もっと話が膨らむようにネタを提供したりもしました。
 昔から飲み会の振る舞いが得意ではありません。気を使いすぎて疲れてしまうこともあります。今日も近くの英語の話に気をとられていて、でもその間にビールをしきりに飲んでいたらしく(というのも聞いていただけであまり話していなかったからでしょう)、結果的に向かいの人にビールを何度も一方的に注いでもらってしまいました。


 飲み会が終わると、香港からの出張者はたいてい連れだってコンビニに行きます。飲み物やお菓子を買うのです。今回私の上司は何種類もの『キットカット』に目を奪われていました。私もこんなにバリエーションがあるとは知りませんでした。バレンタインデーのチョコレートが棚一つを占拠しているのを見ました。そういえば香港の場合、この『情人節』には男の人が花束を贈らなければならないそうです。彼らはどうしたのかな、とちょっと気になりました。


 で、私は『たけのこの里』を買ってきて、ホテルでインターネットをしながらつまんでいます。

2007年2月4日

(HK)テレビ日記

 海上保安庁の人々の活躍を描く「海猿」を、香港のテレビ局が放映していました。安く抑えるためでしょう、海外のドラマを放映する場合、こちらでは吹き替えを当てずに中国語の字幕をつけて済ませるケースがほとんどです。そのためこの「海猿」でも日本語がそのまま残っており、我が家でもその番組を楽しむことができました。


 中国の不審船が沈没しかかっている回でした。甲板にその船の乗組員が出てきて、巡視艇の救助を待っていました。主人公側が彼らに中国語で呼びかけます。するとその訳が日本語で字幕として表示されました。
 ところで、今放映されているのは香港ですから、そのオリジナルの字幕の上にさらに中国語がつき……画面の約半分を字が覆うという異常な事態になりました。


 で、思ったのですが、「海猿」を香港でやるというのはありなんでしょうか。中国人が日本の海を守るプロに感情移入できるのでしょうか。大体、海上自衛隊と海上保安庁の区別もついていない人々です。というのも、尖閣諸島をめぐるトラブルのときも、日本海軍に邪魔されたとか報道されていましたし。


 ドラマは進行し、不審船の乗組員は安全に救助されました。けれども主人公たちは乗組員の雰囲気に疑問を持ちます。まだ船には何かある……そう感じた主人公たちは沈没寸前の船に再び戻り、船底に中国人密航者を発見しました。乗組員たちは事実が露呈することを恐れ、密航者たちを閉じ込め見殺しにしていたようです。


 裏にどういう事情があったのかはドラマの中では明かされませんでした。主人公たちが奮闘し、密航者をも助け出すというのが主題ですから。乗組員たちは良心のない人々という描き方をされていただけです。密航者は字幕では「偸渡客」と明記されていました。「偸」は「盗む」で、つまり日本語のようなオブラートなんて皆無の言葉です。


 中国人の密航という犯罪を典型的に描写することについては、当然のことのような気もしますし、もし日本人がそういう風に描かれると……と想像すると少し申し訳ないような気もします。何というか、判断できません。ひょっとしたら香港は中国本土の人間の密航先なので、その描写に共感できたのかもしれません。
 国籍について極力思い込みをせずに人間だけを見ようという態度でいますが、それとは別に、こういった件は本当に難しいなあと思ったのです。