2005年8月28日

(HK)初めての入院

 今週、三日間ほど入院していました。初めての経験です。

 自分では体の弱いほうではないと思っているのですが、去年の夏から、突然具合が悪くなることが何度かありました。夜中にふと目がさめ、気付くとなぜか下腹部が痛いのです。我慢できずに床にごろごろ転がって悶えたりしているうちに、ふと治まる……。そんな症状が昨夏は二回、先週も一回ありました。時間が経てば治まると考えていたので、脂汗をだらだら流しながら耐えていたのです。そして実際治まっていたのですが。

 ところが今週のは、どうにも治まらなかったのです。会社に行く時間(実はその日は中国への日帰り出張の予定でした)になっても駄目で、起き上がるだけで吐き気がする。それでも何とか昼過ぎには落ち着いたので、タクシーで病院に向かったのです。
 病院に着いたときには、まだ痛みはひいていなかったのですが、それでも別の不思議な安心がありました――今度こそちゃんと主張できる、と。昨夏の初体験では『もうだめ……』と救急車を呼び病院に担ぎ込まれたものの、既に痛みがなくなってしまっていて気まずかったのです。その時はとりあえずX線をとってもらったのですが当たり前のように異常はありませんでした。

 で、今回は左下腹部がかなり痛かったわけなのですが……診断は腎結石でした。石が管をふさいでしまっている時にだけ痛む、という至極納得のいくものでした。

 水分不足が原因ですから、しっかり水を飲んで予防しましょう、とのことでした。

2005年8月22日

(HK)そういえばお盆でしたね

 小林さんを私も娘を連れて見に行ったのですが、すでに試合は終わっていました。通訳を通してコメントする姿を人垣の向こうにのぞくだけでした。元気そうだったので安心しました……友人でも知り合いでもなんでもないのですが。
 香港のメディアは来訪に妙に反応して、彼が叉焼包を100個食べた、と一面トップで扱った新聞もあります。いやまあそれは、のどかなニュースでいいですねえ、という程度なのですけれども、私個人的には、日本のヤフーのニュースサイトであそこまでアクセスを集めたことのほうが驚きでした。


 最近香港で問題になったものの一つに、中国産のウナギがあります。なんだか毒性が見つかったとかで、あちこちのスーパーから撤去される騒ぎになりました。そういったニュースを眺めていると、どうやらウナギは主に日本料理に使われているらしい……と気付きました。回転寿司はこちらでも大人気なのですが、そこでも提供されなくなったとか報道されていて。
 そんな中、ある日本料理屋の店主が浮かぬ顔でインタビューに答えていたのです。内容はよく覚えていません、というか広東語で理解できませんでした。ただ、店の場所と名前がとても興味をひいたのです。

 日本料理『小金井』 in 深水{土歩}[しゃむすいぽ]

 なぜに『小金井』? 『銀座』や『京都』ならまだしも……。それって地名なのですか、それとも人名ですか、実は? 香港一のあやしい電脳街、深水{土歩}という立地条件とあいまって、私に謎を投げかけたのです。

2005年8月7日

(HK)速報! 小林尊さんが香港に来ます!

 尊と書いて『たける』と読み、一時期メディアにもてはやされていました。たとえ皆の記憶から消えかかっていようとも、彼は今年も淡々とホットドッグを食べつづけ、結果五回目の優勝を飾り、そして何と来週末、香港の黄埔(ワンポア)という街に乗り込んでくるのです……ということを私は今日知りました。

 何でも、ワンポアのレストラン街で大食い大会を開催するらしく、そこに小林さんが招待されたようです。看板には、小林さんが香港の人々の挑戦を受けてたつ、というような趣旨が書かれていて、その横では件のホットドッグ大会での雄姿がビデオ放映されていました。

 大食いなんてきっと正しい社会・道徳的には許されない所業でしょう。かつてテレビの視聴率稼ぎで引っ張り出され(まあ、見ていた私も私ですが)、挙句に捨てられて。でも私はただ単純に、まだ彼が大食いを続けていたのだ、ということに感嘆したのです。報道によると今年のアメリカでの優勝の後も、
「自分が昔樹立した記録を破ることができず、残念」
 というようなことを言っていたそうですし。

 彼は客寄せのためにあちこちの大食い大会に呼ばれているようですが、その行為は決して万人には賞賛されていないと思います――そんなことで金をもらうなんて……という感じで。おそらく定職にもついていないかと。
 けれども、自分の能力を知った男が、その貴賎を知った上であえて能力を使う道を選び続けている、というその一点のみに私は強くひかれるのです。

2005年8月2日

(HK)おや、もう8月ですか。

 先週はとても暑かったのに、週末だけはなぜか雨降りでした。そんな土曜日の話です。

 日本の常識では、気温が30度を越えるとアイスクリームなどとてもくどくて食べたくないようなものですが、香港だとそうでもないようで、皆街を歩きながら美味しそうに食しています。街角のマックでは二ドル(約30円)でソフトクリームを売っています。
 けれどもうちの娘はやはり日本人ですから、もっとさっぱりしたかき氷が食べたい、というのです。土曜日には、言い出してきりがなくなりました。その日は大雨なのに。

 で、バスに乗って二人で出かけることにしました。尖沙咀のハーバーシティーの『麻布茶房』まで。とりあえず日式の甘味処に行けばあるだろうと。近所の店で探してもあったかもしれませんし、ジャスコまで行けばかき氷製造器も売っていたのでしょうが。
 途中のバスは大渋滞に巻き込まれるし、観光客でショッピングセンターはごった返しているしで、目的の店に着くのは結構大変でした。けれども席に座ると、バスの中で待ちくたびれて寝てしまっていた娘も途端に元気になります。いそいそと二人でメニューをのぞき込みます。第一希望のメロン味がなかったので、抹茶味にしました(ほら、これも緑だよ、なんて言いながら)。二人で一品しかオーダーしないのも変なので、安倍川餅もついでに頼みました。

 ところが、いざかき氷が来てみると、娘は全く口をつけないのです。「甘すぎる」とか言い出して。店の冷房が非常にきつかったのも原因の一つでしょう。いや、安倍川餅を妙に気に入ったのが理由かもしれなく。
 で、私はというと、娘のために餅を切り分けながら、全然食欲のわかないかき氷を頭痛と戦いながらひたすら食べたのです――そして、店の窓の向こうの曇り空とビクトリア湾を見ながら、このことをきちんと覚えておこうと思ったのです。