2006年2月21日

(HK)私はにわかカーリング観戦者、そして『ダブルテイクアウト』というような専門用語を脈絡もなく使いたがっている。

 この文を書いているのはちょうど日付が変わろうとするころで、つまり日本女子の最後の試合であるスイス戦までは後2時間ほどです。私の場合きっかけは、夜更かししていた土曜日のスウェーデン戦でした。深夜に「カナダ戦に劇的な勝利!」というNHKのハイライトを目にして、そのまま流れで見始めてしまったのです。はじめは「カーリングを生中継で見たことなんてないから……それに土曜日だし……ちょっとまあ……」という感じだったのですが、いやとにかくあれはすごい試合でした。解説の小林宏さんも「歴史的な試合」って言ってましたし。

 小林さんは日本女子チームを、いやそれ以前にカーリングという競技をこよなく愛しているのだろうと、解説を聞きながら私は感じることができました。丁寧で熱のこもった解説についての評判はあちこちで読むことができると思います。あえて私が指摘するとすれば、スウェーデン戦後半におけるストーンが滑っている最中の「間」です。はじめは「ここからカールしてきます」だとか、「やっぱりセンターガードに来ましたか」だとか言っていた小林さんが、無口になってしまったように感じました。解説者の役割を忘れて、ストーンを念じながら凝視している、そんなふうに想像しました。

 結局英国戦も見たので、週末に6時間以上もカーリング観戦に費やしたことになります。そして今日は会社からウェブで試合経過を追いかけていました。途中から再読み込みのボタンをひっきりなしに押し続けるほど、どきどきしながら応援していました。
 いやさすがにスイス戦は見ないことにします。けれどもここは日本の『週刊少年ジャンプ』のような展開を期待したいです。予選で最強の敵(スウェーデン)に僅差で負け、しかしながら勝ち上がって決勝で再度対戦し、勝つ。彼女たちを少年漫画の主人公に重ね合わせるというのは何か間違っているような気もしますが。

 もう一つ、彼女たちは幸せだと思うのです。オリンピックにはいろんな競技があって、4年間の成果を数十秒で出し終わってしまうものもあるのに対し、あれだけの最高の舞台で150分の試合を9回もできるというのは、やはり恵まれているといえるでしょう。この辺もうちょっと思うところがあるのですが、累積した睡眠不足を解消するために今日は寝ておきます。