2004年11月8日

(HK)情報化社会とGカップ

 次の次の月曜日、私たちの職場に本社から日本人の新人が来るそうです。現在のところ私を含む「昼食三人組」が日本人最年少なのですが、今年大学を出たばかりという彼は私たちをダントツで上回るというか下回ることになります。新人が来るなんていうのは滅多にないことなので、三人組の一人は本社に張り巡らせた情報網を活用して、彼について聞き込みをしたそうです。社内報に載った彼の写真がまず戦果として得られました。地味目のまじめそうな顔でした。その後も調査を続けると、なぜか「彼の彼女がGカップである」ということが判明しました……。

 昼休みにその報告を受け、私は絶句してしまいました。そして頭の中にはたくさんの疑問が駆け巡りました。

  • 入社したばかりなのに、なぜ彼女の情報が会社に漏れているんだろう?
  • うっかり彼女と会っているところを、会社の人に見られたのだろうか?
  • 見られただけなら、サイズが正確に把握されているわけはないし……。
  • もしや、そういう話を飲み会とかで暴露するような人間なんだろうか……。
  • まだ「彼女」なんだろうから、日本に残してくるんだろうなあ……。
  • 彼って結構地味な顔なのに……。
  • Gカップってどれくらいだろう……。
  • くっ、こんな下劣な想像を私にさせるとは……なぜ本社の人間はわざわざそんな情報を伝えてきたんだ?

 三人とも何か色々考えていたようで、「Gカップか……」と呟いた後みんな押し黙ってしまったのです。無言で凍鴛鴦をしきりにかき混ぜたりして。

 まだあと一週間ほどあるのにもかかわらず、三人ともしきりと彼のことを話題にします。さすがにもう誰も「G」のことは口にしませんが。でも私なんか彼の顔を見たとたん「Gカップ……」と想起してしまいそうで、今から心配で心配でたまりません。

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