2004年11月4日

(HK)ミニバス事故る

 先週の土曜日のことです。長いこと待った後ミニバスに乗り込むことができたのですが、道路が混雑していてちっとも前に進みません。あせる理由もなかったので私は一番後ろの席に座ってぼんやりと外など眺めていました。すると突然ミニバスがエンストを起こして止まってしまったのです。急に運転手がドアから前へと飛び出ていきます。満員の乗客たちは立ち上がって前方をのぞこうとします。私も人々の頭をかわしつつ見てみると、バスの前にタクシーが止まっていて、二台の車の間で運転手同士が話をしているようでした。どうやら、のろのろ運転の間にミニバスがタクシーに接触してしまったようです。
 しばらくすると運転手たちはそれぞれの車に戻りました。でもすぐに、それは落ち着いたところに車を移動させて話し合いに集中する目的だとわかりました。ミニバスの運転手は若い女の人でしたが、いらいらをドアにたたきつけるようにして再度外へと向かいます。

 私は確かに急ぐ理由はなかったのですが、この後どうなるのだろうという不安がありました。いや不安といっても、せっかく乗れたミニバスを逃すことになると面倒くさいな、とか、先払いで払ってしまった運賃はどうなるのだろう、という程度のことですが。連れがいる乗客たちは好き勝手にいろいろ想像しあっている様子です。
 話し合いは15分以上は続いたと思います。たまたま白バイが通りかかって、話し合っている運転手たちの間に割って入ったりしましたが、結局終わったのはそういうきっかけとは関係がないようでした。女の人はミニバスに一度戻って、かばんを引っつかんでそして何やら取引らしきものをして、その後ようやく運行が再開されました。

 再開直後、運転手と乗客の一人が会話をしていました。彼女は「やっぱあ」と大きな声で吐き捨てていました。「やっぱあ」はたしか100のことですから、私の想像では自腹で100HK$(1000~2000円)払って示談したのだと思います。ミニバスが車線を変えた際に、タクシーの後部に接近しましたが、傷は見当たりませんでした。示談の金額が安いか高いかよく分かりませんが、4.3HK$の運賃を払った満員の乗客たちは誰も降りずにじっと待っていたのです。

 この話、少し続きがあります。彼女はその後乱暴にミニバスを操りました。乗りながら私はちょっと彼女に同情したりしていました。すると私が降りるバス停が近づいてきたのです。
 私は油断していたのだと思います。いつも降りる人がたくさんいるところなので「降りますコール」をしなくても大丈夫だとたかをくくっていました。ところがその日に限って降りるのは私だけで、彼女に「降りる人はいないのか」と急き立てられた末に「有[やう]!」と叫びながら席を立って小走りなんかしたものだから、タラップから降りたところで勢いがつきすぎて前のめりに派手に転んでしまいました。災難は全て私のところに来ていたようです。周りの視線を痛く感じました。それでも立ち上がるとき意図せず正座の姿勢になったので、瞬時反省などしてみました。

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