2006年8月28日

(JAPAN)日本に滞在してました。

 先週一年ぶりぐらいに帰国して、歯医者や映画や動物園に行ったりしました。

 歯医者では、医師ではない別の資格をもつ若い女の人ががりがりと歯石をとってくれました。一通りとり終わると、彼女は、
「はい、おしまい!」
 と言うのです。
 私は違和感を覚えながらうがいをしましたが……あれってやっぱり私が子供扱いされたんだと思います。普通、患者に対しては丁寧に
「終わりです」
 とか言いませんか?

 いつも子供ばかり担当していて、ついそういう口調になったと考えるのが自然でしょう。でも、ひょっとするとため口で親近感や仲の良さなどをアピールする作戦だったのかもしれません。
「ねえ、ちゃんと歯磨いてるの?」
「ほら、ここのとこ残っている! 後で痛くなっても知らないからね」
「80歳になっても、最低でも20本ぐらいは残ってないとダメなんだから」(8020運動)
といった具合に姉さん口調で説教してくれるとか。

 いや、そういう趣味はないのでそのオプションは遠慮したいところです。

2006年8月16日

(HK)用心

 私の職場では、データをファイルに保存する際によく日付を名前にします。でも私は大抵日付なんか覚えていないので、画面の右下までマウスを持っていってウインドウズさんに教えてもらうのが常です。

 今朝は他のエンジニアと一緒にモニタを見ながら作業していました。PCを操作していたのは私です。「Save As」のウィンドウが開いたので、名前を日付にしようと思い立ちました。終戦記念日の次の日ですから16日……なんと、まずいことに瞬時に日付が頭に浮かんでしまったのです!

 用心に越したことはありません。すかさず私は、
「Today is...」
 とか怪しい英語をつぶやきながら平静を装いつつ、右下にマウスを動かしたのです。

 正直そこまで気を回す必要はないとは思うのですが。

2006年8月15日

(HK)広州日本国総領事館からのお知らせを読みました。

「以下の点に注意願います」と書いてあって、一番初めに来るのは、

「中国人と興味本位で不必要な政治談議、議論をしないこと」

でした。いや、本当に興味ないんでわざわざ心配してくれなくても。

Windows Live Writer

使えるものかどうか試してみます。

Temporary Post Used For Style Detection (5f36f0a3-0421-4dc8-bc5c-6ee231defe05)

This is a temporary post that was not deleted. Please delete this manually. (865f6549-533f-446c-9fd0-eb9ebeb13212)

2006年8月14日

(HK)がんばれオカモト

 オカモト株式会社がウェブに載せている、世界最高品質のコンドーム開発秘話「40ミクロンの壁を突破せよ!」を見ました。根が単純なほうですから、こういう話には感情移入してしまいます。地道な努力が実を結ぶというストーリーをうんうんうなずきながら読みました。

 文章の中には、オカモトが達成した薄さに外国メーカーは追随できなかったため、「ある一定以上の厚さがないと輸入を認めない」という条項を設けてその製品及びオカモトの海外進出を阻んだ、というくだりが出てきます。最終的には厚さではなく、ある規格を満たすか満たさないかというフェアな条件に改められて、オカモトの不利はなくなったとのことです。これを読んでいて、スキーのジャンプを思いだしました。その競技には身長によって使えるスキーの長さが決まっているという表向き公平なルールがあるのですが、日本人選手が多く該当する低い身長については条件がより厳しく設定されており、そのため飛距離の落ちる短い板の使用を強いられている、そうです。

 実際にはジャンプ競技では「厳しい」「甘い」というのを議論するのはとても難しく、その条件が本当に不公平かどうかははっきりしないでしょう。けれどもオカモトのケースのように、客観的に見て間違ったルールで競争させられるならば、それはものすごく不幸だと思われます。農業だとか自動車だとか、政治家が張り切る分野なら「貿易障害だ」と日本国がかわりに交渉してくれるのかもしれません。けれどもケースが小さいときはあんまり当てにはできないような気がします。
 だからこそ、そうした局面でのエンジニアの奮闘ぶりを想像して、感嘆したのです。

 ところで、ワールドカップの思い出で書いたように、この前私はイングランド・サポーター、ブラジル・サポーター、ドイツ・サポーターなる名称のゴム製品群を目撃しました。それのどこがどうサポーターなんだよおい、と思っていたところ、オカモトの話を読んで少しわかった気になりました。技術で勝負できないからああやってイメージで売ろうとしているに違いありません!
 少し力んでしまいました。でも、ゴムはもう成熟した商品なので技術的なアドバンテージだけで売れるというものでもなさそうですが。
 ちなみにそのゴム製品群の発売元は、日本人が世界で最もセックスの頻度が少ないとお節介に報告してくれるDurex社です。ちなみに香港は下から二番目でした。(←リンクを貼ろうと思いましたが、検索してみたところものすごく下品なページだったのでコピーにとどめます。http://www.durex.com/jp/gss2005Content.asp?intQid=1055&intMenuOpen=)
 回数が少ないからどうなんだとも思います。しかし、そこから男性が女性を大事にしていない、だとか、仕事ばかりで家庭を顧みない、とかいう議論に誘導されがちであって。ちっ、これもきっと日本人が最下位になるような不利な質問だったに違いありません!

2006年8月13日

(HK)自戒

 香港のお勉強好きの風潮についてちょっと書いたのですが、まあだからといって仕事の能力的に香港の人々が劣っているかというと、私はそんなことはないと思っています。ただ、こちらにいる日本人は「仕事ができる」という価値観を最上のものにすることが多く、そしてそれは大抵長時間労働を意味しています。それゆえこちらの人々が正当に評価されない、という傾向は若干あります。

 はっきり認識しなければいけないと個人的には思うのですが、香港の「勉強がよくできる」をもてはやす風潮も変ですし、日本人男性にありがちな「仕事がよくできる」、もしくはもっと極端な「仕事さえできればいい」という価値観も間違っているのです。家族と一緒の時間を削って毎日働き続ける、こちらのほうが人間的に見るとまずいはずです。「勉強だけできてもだめ」には賛成できるのに、「仕事だけできてもだめ」となると「いや仕事は大事だよ」と反論したくなる人って多そうです、自分も含め。

 自分自身はよく長時間労働をします。けれどもそれを人にさせるのは無理だと気付きました。ただそういう仕事スタイルを隠そうとはしていないため、依然周囲は無言のプレッシャーと受け取っているかも知れません。「仕事に狂った日本人像」の普及に一役買ったままです。

 結局、「一人一人違う」という当たり前の結論に落ち着いています。こんな働き方を許してくれる家族には感謝しています。

2006年8月10日

(HK)會考と香港の「お勉強」事情

 會考というのは香港の生徒にとって一番重要な試験で、将来就職するかもっと学べるかはその成績次第という、ある意味人生がかかったもののようです。日本でいうところの高校2年生がその試験を受けます。先日その結果発表がありました。
(ここからはうろ覚え・かじった知識です)日本の入試とは異なり、會考の成績は大学の合否とは直結しません。どちらかといえばセンター試験に近いですが、各教科のスコアが生徒に知らされるところが異なります。生徒は自分の成績をもとに進級する学校を選ぶことになります。当然学校側は成績のいい生徒を取ろうとするので、成績が悪いとどこの学校にも受け入れてもらえない→就職決定 となります。(うろ覚え・かじった知識終了)

 こちらのテレビのニュースでは、かなりの時間を割いてその話題を取り上げていました。成績を渡された生徒が喜んだり泣いたりする様子が映っていました。スコアはABC……という数段階のもので、10個のAを取った大変優秀な生徒は学校から表彰されたり、テレビ局のインタビューを受けたりしていました。わかりやすい受験戦争っぷりです。
 今はどうだかわかりませんが(こう書くあたりオヤジ入っています)日本だってかなりの受験戦争国なはずですが、日本の場合いくら勉強ができてもそういう扱いにはならないと思います。「勉強だけできてもだめ」という共通認識があるからでしょうか。

 一方香港は多分「勉強がよくできる」というのは日本よりもいろいろな場面で有効のようです。驚いたことに彼らは大学新卒の就職活動においても會考の成績を見せますから。そして大学卒である優秀ですばらしい自分にふさわしい仕事(彼ら自身が勝手に定義している)をやりたがります。
 まだまだエンジニアとして若輩者の私が言うのもなんですが、
「そんなきれいな仕事なんてないよ」
 と。机上でただひたすら設計するとか、他人に指図してやらせるだとか、そんなのがエンジニアの仕事だと思ってもらっちゃあ……愚痴になったのでやめます。

 それにしても、香港の学生の場合、そのプライドみたいなものが傷つくことはないのでしょうか。日本だったら大学生だからといって就職・将来が約束されているなんていうことは全くないし、それよりもなによりも若いときの「彼女・彼をつくろう活動」は勉強とは無関係ですし。至る所で「勉強だけできてもだめ」と容易に気づくと思うのですが。はっ、もしや香港の場合勉強ができるとモテモテっすか?
 結論として、上の妄想を瞬時に否定できないぐらいこちらの学歴信仰は強いです。

2006年8月6日

(HK)米線を食べながら

 会社に日本語を話せる中国人がいます。彼は日本の大学に留学していたとのことで、独特のアクセントはあるものの、きちんとした構文で話します。私は一緒に働いたことがないのでわからないのですが、他の日本人と日本語でエンジニアリングな議論をしているそうです。ところで、彼は中国本土の出身者なので広東語が話せません。

 そんな彼と一緒に昼ごはんを食べたときのことです。会社近くの麺の店で私は米の麺{米線}『まいしん』を頼みました。で、
「今日は米線にしました」
 と日本語で話しかけたのです。

彼: 『まいしん』って、あのファーストフードの? ほら、美しい心、って書くレストランあるでしょ。
私: 確かに{美心}という店はありますね。あれってでも、『めいさむ』と読むのだと思うのですが。
彼: そうなんだ、私広東語わからないから。じゃあ、『まいしん』っていうのは。
私: この麺の事です。米の線、と書いて『まいしん』。
彼: へー、よく広東語知っていますね。
私: いや、食べ物の読み方だけですよ。

 今まであまり話したことのない人でしたが、そんな感じになって、いろいろと話が盛り上がりました。途中ふと彼の出身地のことが気になり尋ねてみると、
「浙江省『せっこうしょう』です」
 と言うのです。ああ上海のほうなのかなあと思ったのですが、同時に『せっこう』っていう発音じゃないんだろうなあ、という疑問もわきました。
 例えるなら、東京はその知名度ゆえに『とうきょう』ですが、北海道は『ぱっほいどう』(広東)って感じです。