2005年10月30日

(HK)十月もそろそろ終わります。

 わたわたしているうちに今週も一週間が終わりました。思い出せば、先週の土曜日には家族で『日本の祭り』に出かけてきたのでした。それは香港島のビクトリアパークで行われた、多分文化交流とかがお題目のイベントです。ちょうど小泉の参拝の後だったので、会場の周りにはやけに警官が目立ちました。彼らは一応警備の格好はしているものの、とても暇そうでした。

 うちの家族は「とりあえず、何かあるだろう」程度で行ったのですけれども、おそらく人々の目的は『美勇伝』を見る、ということだったと思われます。すいません、今検索かけて『美勇伝』という名称を知ったところです。私が聞いていた話は石川梨華が来る、ということだけだったので。ああ、そんな人が昔モーニング娘。にいたねえ、という感じでしたし。

 当日は香港の夏の暑さこそありませんでしたが、とても日差しの強い日でした。そんな中、テントのつくる日影に入って、娘と息子に麦茶を飲ませたり、屋台で買ってきた焼きそばを食べさせたりしていると、拡声器を通して女の子たちの日本語が聞こえてきました。彼女たちが来たようです。

 多分スタッフから急遽学んだであろうこちらの言葉を少し交えつつ、ちょっとだけ会話して、その後聞いたことのない歌を歌って彼女たちは去って行きました。その間、私はほとんど舞台のほうを見ることはありませんでした。少なくとも一挙一動を凝視するということはなく。

 彼女たちを見に来ていたのは、けれどもあまり多くはなく、私がちらっと眺めた感じでは300人程度でした。石川梨華って結構聞こえた名前なので、彼女が娘。だった時はいつももっと歓迎されていたんだろうなあ、と想像しました。
 わざわざ香港まで来てわずか300人ほどの前で歌うなんて、昔を思い出すとずいぶんギャップを感じたんじゃないだろうかって、勝手に心配してしまいました。まだ十代だろうに、いい思いと辛い思いを経験して……とちょっと同情したり。

 この前来た大食いの小林尊のほうが、もっともっと地元メディアに取り上げられて、それこそ芸能人扱いされていたなあ、とも感じました。本当に余計なお世話です。

2005年10月22日

(HK)ミニバス事故る、2回目。

 去年体験したのは、渋滞の中でうっかり前のタクシーにぶつかってしまった、という軽微な事故でしたが、今回のは座席からふっ飛んでしまうほどの衝撃でした。朝、ミニバスがのろのろ走っているところに、横から車が飛び出してきたのです。
 けれどもほとんど終点に着いていたので、乗客は事故にかまわずわらわらと降りていきました。私も打った肩をぐるぐると回して、大丈夫なことを確認してから会社へと向かいました。

 その日、家に帰ってからその出来事を話すと、やはりものすごく心配されました。その反応は事故の後に容易に予想できたのですが、だからといって何をしたらいいのか・できるのか、その時私は思いつくことがありませんでした。

2005年10月13日

(HK)昼食時に

 前にも書きましたが、香港には揚州炒飯、福建炒飯、西炒飯があるわけですから、本日の遭遇は必然なのでしょう……日式炒飯奄列(日本式炒飯オムレツ)なるものが会社の近くの食堂でおすすめされていました。

 何のことはない、ただのオムライスだろうなあ、と思ってオーダーしてみたのです。
「あれって、日本発祥の料理なんだ」
 なんて、みんなで話していました。確かに、オムレツをオムと略すあたりに、何となく日本人固有のセンスを感じます。

 さて、いよいよその料理が運ばれてきたのですが……結局、あっけないぐらい普通のオムライスでした。けれどもよく見ると、たくあんが付けあわせとして添えられていました。精一杯の日本情緒の表現なのでしょう。

2005年10月12日

(HK)天狗に任せて

 床屋に行ってきました。本当にローカルな床屋なので全然言葉は通じませんが、何回も通っているうちに覚えてもらったようで、いつも同じ人に同じような髪型に仕上げてもらっています。
 店に入って椅子に座り、順番を待っているときのことです。私が日本人だと知っているので、スタッフが日本語の本を持ってきました。色々な髪形が載っているカタログでした。
 一応日本はおしゃれな国ということになっているので、香港では日本のファッション雑誌がよく出回っています。みんな日本語の文章など読まずに、かっこいい服だ、髪だ、バッグだ、などと情報の収集をしているのだと思います。そんなわけで、髪型カタログが日本語であっても別に普通なのですが……。『男のモテ髪』というタイトルでした。『モテ髪』ねえ……。
 けれども、よくよく眺めてみると、表紙に正しい日本語が見当たらなかったのです、『流れる男發の新しいパーマ』とかいう感じで。タイトルを除き『髪』が『發』に置換されていますが、理由が不明でした。

 日本語のウェブや雑誌では、時々お笑い目的で『中国製品に使われている間違った日本語』が特集されています。わざわざ他国の言語を商品パッケージに載せるのは、日本製品の持つ高級感を模倣するためだと思われます。
 でも、だからといって日本のファッション雑誌までコピーするのはどうしてでしょう? 本って情報を読み取るものなのに……。
 滞在が長くなってきて、大抵のヘンテコな日本語には反応しなくなってしまった私ですが、この件は疑問に感じました。

 ところで、この記事のタイトルは最近やっているゲーム、ニンテンドーDSの『ニンテンドッグス』から連想しました。中国語ではイヌが『狗』となり、この前読んだ新聞記事では『ニンテンドッグス』=『任天狗』となっていたので。

2005年10月11日

(HK)今日は当然休みではありませんでしたが、明日は重陽節で休みです。

 最近インターネットでツンデレなる言葉を学習しました。今まで無意識のうちに認知していた事象が、言葉の創造によって再発見される……と、慣れない言葉を格好つけて使おうとしても大概意味不明になるのですが、まあそんなカンジの感想を持ちました。そういう人って、いるでしょう、きっと。

 ところで、私は香港に住んでいて、毎日の通勤に電車を利用しています。その車内に限った話ではないのですが、当地でぼんやりと人間観察などしていると、かなりの確率でじゃれ合っているカップルを発見することができます。既に結婚しているからではなく、歳をとってしまったからでも断じてなく、ただ純粋に私は
「いちゃいちゃしてるなあ」
 と思うのです。それの証拠に、見ても何の感情も発生しませんし、私は。

 少ない情報を集めて検討したところ、ああいった行為はどうやら女性側が望んでいるらしい、という結論になりました。何でもこちらの女性は「男性に色々してもらっている」という状態を好むようです。この情報、当然私が香港女性から本音を聞きだせるわけはなく、こちらにいる日本人女性からの又聞きなので、どれだけ正しいかは分かりません。教えてくれた彼女は、
「人目がある中で、よくやるよね」
 と言っていました。私も全くの同意でした。日本人にはちょっとできないと思いました……。

 急に香港の若い人々のいちゃいちゃが思い出されたのです。
→香港の人にとってはあれが当たり前であり「デレ」ではない。
→「デレ」基準の低下により、日本人女性の外での振舞いは「ツン」扱いされる。
→日本人女性はみな「ツンデレ」だ。
 ああ何だか、とってもグローバリゼーションな結論が得られ、意味不明にも磨きがかかったところで終わりにしたいと思います。

2005年10月8日

(HK)ちょっとだけ秋の風が吹きました。

 ジャスコの日本食品祭り、ちらっと眺めて終わりにしました。あまりにも混んでいたし、特に目当てのものがあるわけでもなかったので。でも一つだけ驚いたことがあります……こ、これは、もしや北海道物産展なのかっ! と。
 何と一番目に付く陳列棚に『白い恋人』が置かれていたのです。北海道は香港で最近人気の観光地ですから、お土産としての『白い恋人』の知名度は高いのです。ちなみに『白い恋人』の空き缶も、オフィスなんかできちんと収納ケースとして活躍していたりします。
 でも今回は、たった10数枚に2000円以上の値段がついていて、あまり売れ行きはよくなさそうでした。

 先週の金曜日は出張で東莞に行っていて、そしてその時初めて中国本土での宿泊と相成りました。今までの出張はずっと日帰りでした。
 日本人との仕事だったら、夜になるとその人たちに連れられて、あちこちで飲むことになるのでしょう。でもその時は一人で行っていて、相手も日本人ではなかったのです。
 結局、仕事を終えた後、唯一知っている店で夕食を食べました。『回鍋肉』を指差して『ホイコーロー』とオーダーしたら、律儀にも正しい発音を教えてくれました。出てきた料理は辛いことと豚肉であることを除くと、全く予想とは異なりましたが。
 やがて店を出るころには薄暗くなっていました。街灯なんかないところですから、なんだか急に怖くなってきて。そんな中でも車と人だけはひっきりなしに流れています。あちこちでクラクションが鳴っていました。
 結局7時ぐらいに宿の部屋に着いてしまい、その後は共産党の宣伝臭が漂うTVなんかをぼんやりと見ていました。