2010年3月28日

[HK]渋滞に巻き込まれたことと、ラーメン屋のできごと

 中国への出張、何とかこなしました。何回も行っているのにまだ慣れなくて、いつも香港に戻ってくるたびにほっとします。これが中国を飛び回るような仕事だとか、もしくは中国に住んでいるのなら、いやおうなしに慣れているのでしょう。標準話がまったくわからない、というのが最大の原因です。
 風邪も大丈夫でした。月曜日以降、薬を飲まなくてもよかったぐらいで。

 深センに戻る時、高速が事故で渋滞していました。三十分ゆっくりと走ると、遠くのほうに車が止まっているのが見えてきました。通り過ぎる時に横を見ると、二台のベンツが車線をふさいでいました。後ろのベンツが前のベンツに突っ込んだという「事故」のようでした――しかし、前の車の後部は見たところ壊れたり凹んだりしていませんでした。当事者二人は車の外でケータイで話しています。保険会社か警察か、そんな感じのところに電話しているのだと思います、が。まずその車を路肩にどけろよと。
 車線をふさいでいるせいでどれだけ渋滞しているか、そんなことは知ったこっちゃない、それが彼らの考えなのでしょう。それとも、動かしたせいで事故の交渉が不利になったら困る、とか。高い車に乗っている高慢な人々なんでしょうか。かなりうんざりしました。
 事故になっても車をよけない、というのは香港でも見かけます。これは「日本人と違うところ」だと思います。本当は「悪いところ」と決め付けたいところですが、でもそれは文化なのかもしれないし……とりあえず断定は回避しておきます。

 日本スタイルのラーメン屋に行きました。店はまあまあ混んでいました。入り口には先客の男女がいて、席を探している様子でした。私は一人だったので彼らの横を通り抜けカウンターに向かったのですが、男のほうに見覚えがあります……何と、かかりつけの病院の先生(香港人)でした。月曜日に診てもらったばかりの。女の人は奥さんのようです。まあ、先生にもプライベートがあるわけで、日式のラーメンが食べたい気分になることもある、んですね。
 先生のほうから「こんばんは」と日本語で挨拶されたので、私も同じように返しました。でも、その後の言葉が出てきませんでした。「もうすっかりよくなりました」とお礼を言えばいいのでしょうか? 何だかあまりに唐突すぎるような気がしました。
 先生は片言の日本語を使いますが、おそらく日本語を専門に学んだわけではなく、日本人を診ているうちに身についたのだろう、と推察しています。健康関係の単語しか知らないと思われ、つまり、ここでラーメンを語っても……。いやそれ以前に、先生と患者だからそんなに親しい間柄ではなくて。
 やがて先生から「一人ですか」と尋ねられたので、私は「一人です」と答え、それで会話を無事終えることができました。

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