2003年10月27日

(TEXT)中里さんのこと

 中里奈央さんが亡くなられました。私は中里さんとは『短編』『あるテーマ』でしかご一緒しておらず、また親しいほうではなかったような気がしますが、思うことがあります。
 『短編』まわりの掲示板で、中里さんの作品が話題になったり、実際にご本人が見えたりしていた頃のことです。私もどんな人なのだろうと思って、彼女のページを訪ねました。そこで大賑わいの掲示板と「文章だけでも、理解し合えると思うよ」という彼女のメッセージを見つけました。
 しかし、どうも私はナナメな人間のようで、そのメッセージを正面で受けとめることができず、そのせいか自分とは雰囲気があわないような感じがして、ついに書き込むことはありませんでした。
 亡くなったと聞いて、彼女は確かにそのメッセージのまま生きたとのではないか、と私は思いました。とても偉ぶった言い方です。また、当たり前のことを今更、とも考えます。ですが、最後まで書く意思は衰えなかったようですし、同室の入院患者さんにも「自分は文章を書いている」と公言していたようですし。そういうのを知ると、上の思いがますます強くなります。
 今も彼女のページに行ってきました。たくさんの人が追悼の書き込みをしています。彼女の文章は多くの人に影響を与えたのです。そして与え続けるのでしょう。
 彼女は北海道に住んでいたそうです。もうそちらでは、初雪など降ったのかもしれないですね。「You did it!」という言葉を、まだまだ暑い当地からおくり、本文章を終えたいと思います。

(追記; 読み直して見ると「悲しさ」の表現がないことに気付きました。本文章は、中里さんが亡くなったことを知ってから一週間たった後に書いたもので、知ってすぐの思いとは異なる、二次的な思いを述べたものだと解釈していただければ幸いです。)

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