2006年6月14日

(HK)敗戦の次の日

 先週タクシーに乗った時、行き先をつたない広東語で告げるとすぐに日本人だと看破されました。お前は日本人か、という質問が来るのはおそらく運転手さんが日本・日本人に興味があるからでしょう。で、その時はワールドカップの話になったのでした。
「中国はだめだった、でも日本と韓国はアジアの代表で出ることができる、だからGoodだ」という内容をしきりに語るのです。香港は基本的に対日感情がいいということを差し引いてもなかなかうれしい会話でした、が……。
 今日の香港の新聞には試合を評して「莫氣」と書いてありました。中国語と日本語でニュアンスは異なるかもしれませんが「莫氣」=「莫気」=「ボケ」。


 ところで昨日の試合を見ていて、
「あ、サッカーは試合中にタイムアウトが取れないんだ……」
と感じました。当たり前のことかもしれませんが個人的には発見でした。選手たちは自分の役割を認識し、勝利を望み、基本的に彼らの仕事をしていたと思います。けれども周囲からの期待だとかラッキーだった先取点だとか、そういう邪念がわいてきてその瞬間瞬間の判断がずれ始めた場合、サッカーの場合修正するのが難しいのでしょう。あくまで門外漢の想像ですが。


 想像といえば、私は、
「代表たちの小学生時代のコーチが田舎で試合を観戦している図」
というのも思い浮かべました。この機会に新調したかもしれないハイビジョンの薄型大型のテレビに、ひょっとしたら抱きつかんばかりに近づいて、きっと叫んだことでしょう、
「走れ」「諦めるな」
と。そういったメッセージはシンプルでありがちで、でも普遍的な価値を持っていると思います。


 単なるボール遊びに多くの人が勝手に色々なものを重ねています。私も昨日は三点目が入ったら不愉快になって、テレビを消してしまい最後まで見ませんでしたし、その後は速攻寝ました。今日は通勤中目に入る香港の新聞の記事がまるで日本人を卑しめているかのように映りました。
 私はこのような状況を作り出せる主である選手たちをすごいと思います。また、すごいのだということを選手たち自身に改めて気づいてもらいたいと願っています。そして翻って自分を省みています。やっぱり最後までやらないと、と。

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