2006年9月26日

(HK)観塘にモスバーガー予定地を見に行く。

 観光客なんてほとんど行かないと思われる、九龍側の少し不便なところに観塘という街があります。昔は軽工業で栄えたのでしょう、職住が一体となった古い雑居ビルが連なっているある意味とても香港らしい街です。ここの一角が最近再開発されてショッピングセンターになっています。

 香港には日本のスーパーのような大規模な小売業者は存在せず、不動産業者がビルを建てそこにテナントを募集して『商場(ショッピングセンター)』とするのが普通です。新しい商場に入居するのには多分かなりの資本が必要で、その結果お馴染みのチェーン店がどこの商場にも入ることになり、個性のないものばかりになってしまっています。そんなわけで観塘の新しい商場『APM』にもあまり期待はしていなかったのですが、とりあえず行ったことがなかった、というのと、そこにモスバーガーが来るらしい、というので出かけてきました。

 香港でファーストフードといえばマックで、日本以上の普及率だと思います。宅配もやってくれるため、我が家では「困ったときにはマック」という感じでずいぶん利用しています。でもさすがにそろそろ違うものを食べたほうがいいんじゃないか……と思っていた矢先にモスが香港に来るという情報が入り、かなりうれしくなりました。そもそも日本にいるときからモスは好きでしたし。思わず身近な日本人に吹聴したりもしました。そして人に聞いて回ったところ、APMにできるということがわかりました。

 行ってみたところ、フードコートの真ん中に簡単に予定地を見つけることができました。いやまあ、そこが予定地だという以上の情報は得られませんでしたが。開業がいつかも明記されてませんでした。実はもうオープンしてたりして、なんていう期待があったので少し残念でした。
 でも、あのモスならではのハンバーガーの写真にComing Soonと添えられているのを見て期待を膨らませました。香港島の中環でも銅鑼湾でも、九龍にしても尖沙咀でも旺角でもなく、なぜか観塘。モスの一号店は成増だったというマニアックな事実を思い出して、勝手にうんうんと頷いています。

2006年9月16日

(TEXT)夏オセロ

 しばらくネットをしてなかったのですが、たまたま見た『第一回萌やし賞』なるものに触発されて表題のものを書いてしまいました。

 また大幅な字数オーバーで、なんとなく臆病になって応募してません。そもそも『萌え』とは関係なしに、自分の好きなように書いてしまっていますし。

 よろしかったらどうぞ。

夏オセロ(第一回萌やし賞 字数オーバー)

2006年9月3日

(HK)異国での遭遇

 今日使ったタクシーの運転手さんの座席後部の透明アクリル板には、月島自動車交通(株)と書かれていたので大変興味深かったです。3から始まる8桁の電話番号も書いてありました。
「月島って東京の下町で、たしかもんじゃが有名だよね」
「でも、どの辺なんだろう? 行ったことないよ」
 なんて話をしました。

 月島自動車交通(株)さんで使われていたタクシーが中古車として香港に売られてきて、内装がそのままになっているのでしょう。香港島・九龍のタクシーの色は赤、と決められているので、外はきちんと塗りなおされていましたが。香港も日本も右ハンドルなので、そういうことがよく行われているようです。

2006年9月2日

(HK)スーパーのタラバガニ

 家の近くのスーパーは、香港資本のどこにでもあるチェーン店のひとつに過ぎないのですが、時々びっくりするようなものを売り出します。先週はタラバガニでした。

 鮮魚売り場に行くと大きな水槽が設けてあって、その中に生きたタラバガニが2匹いたのです。この辺で採れるカニではないと思うので、空輸でもしたのでしょうか。しきりに口の周りの触角みたいなものを動かしていました。北の海で育まれたであろう立派な足と、とげのある甲羅でした。本当にカニって複雑な造形をしています。
 そんなふうに私はしばらく感嘆しながら見ていました。そして、それだけでは済まさずに別の買い物をしていた家族を水槽の前まで連れてきて観察させました。でも、家族にはカニの面白さがわからなかったようです。
 当然その生き物は商品で、大:800ドル 小:600ドルぐらいの値段がついていました。2匹が大なのか小なのかは不明でした。けれども小でも日本円でおよそ8000円という値段がついており、こんなところでそんな買い物をする人がいるのか、いたとしても調理できるのか謎に感じました。

 今週はそのスーパーに2回行きました。1回目には何とカニは3匹に増えていました。2回目には水槽が撤去されていました。この事実から多分誰かがお買い上げになられたのだと思います。そして私は悲しいような安心したような変な気持ちになりました。

 エゴ以外の何物でもないのだと自覚しています。私も昔タラバガニの足の部分を軽く火であぶって食べたことがあり、大変美味だと思いましたし。とりあえず廃棄処分にはならなかったようなので、それはよかったのではないかと。でも、香港の消費者がいくら金を持っているからといって、生きたまま空輸してスーパーに並べるのはタラバガニを金持ちの「おもちゃ」扱いしているような気がしました。
「はっはっは、じゃあパパがこのタラバガニを買っちゃうぞー」
 みたいな。それが商売だと言われれば何も返せませんが。
 せめてこちらの日本料理屋に卸して、職人にさばいてもらいたいと思いました。あ、でもこっちの金持ちはスケールが違うので、実はタラバをさばける料理人ぐらいお抱えなのかもしれません……。