行き先はシリコンバレーです。エンジニアの理想郷らしいですね。せこせこ働かざるをえない日本人には不釣合いなんでしょう、きっと……と恋愛に例えれば「ツン」気味に予防線を張っています。
ところで一緒に働いている香港のエンジニアに、
『アメリカに出張、決まったよ』
と告げた時のことです。本当に行けるのか? とずいぶん心配されました。よく聞いてみるとビザのことを案じてそう言っているようなのです。はぁ、アメリカにビザ? 聞いたことないけれど……。
911以来入国審査が厳しくなったっていうし、パスポートもIC化らしいし……と他にも気になることがあったので、とりあえず近くの日本人に確認してみました。結果、いくつかわかったことがあります。
日本人はアメリカ渡航にビザはいらない。
まあ、例えばハワイに行くのにビザがいるなんて、そんなことはないだろうと思っていたので、案の定という感じでしたが。
中国(香港)人、韓国人はビザがいる。(わかったのは香港のケースだけですが)香港でさえもかなりの確率でビザ発行が拒絶される。
行き先・日程・向こうで会う人間などすべて確定しているビジネストリップでも、初回はうまくいかないことが多いそうです。大学の卒業の証明だとか、書類も色々と準備しなければいけないそうです。
こういう事実を知ると、日本の国際的な微妙な立ち位置を理解できます。アメリカのビザ免除国はヨーロッパ中心の以下の国々です。(アメリカ大使館のサイトより。2006年5月4日現在)
アンドラ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルネイ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、モナコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェイ、ポルトガル、サンマリノ、シンガポール、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国
http://japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-waiver.html
いわばアメリカさんのお友達リストですね。ここに載るのがどんなに大変なのか、どういう付加的な意味合いを持つのか持たされるのか、難しいことだなあと思うにとどめます。けれども、
私:『ビザ、いらないらしいよ』
同僚:『え、何で』
私:(言いにくかったのですが)『日本人はそうらしいよ』
という会話の時の同僚の反応だけは、今でも思い出すことができるのです。
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