2007年4月15日
(HK)中国で働くということについて
現在香港4年目の私から見ると、こういうニュースは本当に心が痛みます。中国での経験を生かした就職なんて、私の知っている範囲では聞いたことがありません。「中国の経験がある」=「劣悪環境でこき使っても文句を言わない耐性をもつ」と都合よく解釈されるだけです。こちらだったら実例が色々あります。
例えば、まあ運良く中国の日系企業に就職できたとしましょう。張り切って仕事をやろうとする……のはいいのですが、自分の上司が日本人で、彼から中国人とのインターフェースの役割しか与えられなかったら、どうでしょうか。
もっとネガティブな情報を付け加えると、上司は日本からの駐在員で住居・医療・教育がフルサポートなのに対し、現地採用はそれらが皆無ということも良く聞く話です。仕事の上でも、駐在員が無能なのにも関わらずおいしいところを全部取っていく、というのも普通にあるでしょう。舞台が海外に変わっただけで、よくあるドラマみたいな話です。
格差なんてない方がいい、と思うのは当然です。でも私はこちらに来て働いているうちに、あからさまな格差を目の当たりにしました。まずはこちらの人間と日本人の格差、そして日本人内の格差。好きで香港に来た以上、そういった格差は「そこに確かにあるもの」と受け入れざるを得ませんでした。その意味で自分は善人ではないと思います。むしろ開き直って、私は格差を維持する体制に回っているのでしょう、あまり心地よい想像ではないですが。
「実力主義」というきれいごとでこういった事実は隠蔽されがちになっています。もし仕事の上での機会が等しく与えられたならば「実力主義」も悪くはないのかもしれませんが、現状はそうではないことも多いと思います。
私の場合、香港にいるのは色々検討した結果であって、「香港にいること」が目的ではありません。なので、新卒で普通の会社に就職したときのことを振り返ると、大変なことになってしまったなあ、とつくづく思います。そしてその後、こういうのもありかなあ、時代が時代だし……と現状を肯定するのが常です。
さあ来週もまあぼちぼち働きますよ。
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