2007年4月12日

(HK)初めてアダルトビデオを買ったときのこと

 自分があまりにも滑稽だったので、主に自分のために書いておきます。どこで買ったかとか、いくらだったかとか、買い物に役立つ情報は記しません。内容について詳しく記すこともしません。読んでいて性的に不快にならないように努めます。

 香港の電気街を初めて訪れたときから、アダルトな商品を扱う店の存在に気づいていました。日本製のAVを売っている店では、たいてい日本語で書かれた女優のポスターが壁に貼ってあって、不思議な気持ちになったものです。でも当時はお店の人が怖そうで、日本人が買いにきたとばれると大変なことになりそうで、私は中に入らずに横目で見て通り過ぎていました。
 でも最近は「客なんだからそんなにひどい目にあうことはないだろう」とふてぶてしく考えるようになりました。そこで、何も買わずに出ることが許されなかった場合の損害額について検討した後に、ためしに店に入ってみることにしました。結局私が行ったところでは出入りは自由で、買わずに出てもとがめられませんでしたが。

 そして二つの店から計三枚のディスクを買いました。全て日本のものです。ディスクはどれも透明なビニール封筒に二つ折りの紙と一緒に入っていました。紙はもともとのパッケージのカラーコピーのようでした。ディスクは折られた紙の間にあって、一応保護されています。プラスチックケースのような余計なものはないのです。
 店に入って分かったことがあります。日本ではアダルトビデオには規制があるのですが、香港の店で売られているものもやはり日本の規制がかかったものでした。残念でしたが、しかし色々探して回るうちに、ついに私はあるビデオに出会いました……そのカラーコピーには「規制なし」という内容の文言があったのです。当然日本語でです。ディスクは目立たないところに置いてあり、中国語のポップはついていませんでした。
 正直に言うと、見つけたとき私は猛烈に「出し抜いてやった」感がしました。私は日本人だから、日本語が読めるから、この店のたくさんの商品の中から「規制なし」を見つけることができたのだ、と。
 うきうきしながら私は家に帰りました。そして三枚のディスクを納戸がわりに使っている雑然とした部屋の棚に隠しました。今度夜中にこっそり見ようと考えたのです。

 さて次の日、私は仕事を終えて家に戻り、ふと気になったので納戸に向かいました。すると、何とそこは突然整理整頓されていたのです! 恐る恐る棚に向かいディスクを確認します。それらは同じ場所にありましたが、周りに置かれているものが全然違いました……。そして私が問う前に妻は、
「何か変なのあったよ」
 とほのめかす始末。思い立って掃除をしたそうです、よりによって隠した次の日に。
 しかしめげてはいられなく、私はその深夜、それらを鑑賞してしまうことにしました。カラーコピーと同じデザインのディスクをデッキに突っ込みます。早送りのボタンで著作権の警告をすっ飛ばします。やがて画面には突然中国語のタイトルが。そして出てくるのは、明らかに日本人ではない女性。思わずカラーコピーを手に取ります。日本人女優が出演している「規制なし」品なはずですが……これは店の手違いでしょうか。文句を言えば取り替えてもらえるのでしょうか……。彼女は80年代のアイドルのような服装をして自転車に乗っています。そのシーンが延々と続きます。
 私はよろよろとデッキに手を伸ばし、ディスクを取り出しました。そしてついに発見しました、ディスクにはシールが貼ってあったのです。やけになってそれを乱暴にはがすと、先ほど見た中国語のタイトルが現れました。それだけではなく、ディスクはDVDですらありませんでした。VCD(Video CD)でした……。欲深な日本人の私はまんまとだまされてしまったのです。もう苦情をいうパワーなど残っていません。
 一応報告しますと、三枚中一枚だけは規制ありのごく普通のアダルトビデオでした。それを売っていた店は大丈夫でしたが、もう一つの店で私は二枚ニセモノをつかまされたのです。

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