2006年12月6日

(HK)中村さんと仕事と私

 スレイブと揶揄された中村さんが香港に来て、講演をしていったようです。パンフレットの中では、中村さんは暗い研究室の中で青色レーザーを片手に持ち、もう片方の手をあごに当て、読者のほうを見やりながら考え事をしている様子でした。雰囲気が出ているいい写真でした。


 個人的にとても気になる人なので、ぜひ実際に話しているところを見たかったのですが、400香港ドル(約6000円)はあまりに高いと思いました。そして、そういうことにお金・時間を使わないのが氏の教えではないかと、都合よく考えました。モノを人任せにせず自分の手でさわれ、とことん考えぬけ。そういう主義が中村さんの発明につながったと、自分なりに解釈しています。


 会社に遅くまで残ってデータだとか装置だとかを見ることがあります。そういう時はたいてい「長時間働く自分」というのに酔っていたりして、偉人である中村さんと自分を重ね合わせたりします。ところが実際のところは、残る理由が皆無とまでは言い切れないものの、自分の工夫次第で早く終わらせられたケースが多かったのではないか……という気もします。


 個人的には残業という概念など存在しない=就業時間にとらわれず成果のために働いている、つもりです。なので……ライフハック系の記事なんかを読んで「甘っちょろいわ!」と悪態をついたり、しまいには「ソフト屋にモノづくりの何たるかがわかってたまるか」なんて妄想を振りかざしたりしています。でもきっと、それは自分を肯定したがっているだけなんでしょう。


 結局、自分を客観視するのはとても難しいということで。例えば、私は「ばりばり仕事している」はずですが、インターネットのライフハック系の記事を読んでいる時点で、加えてこうやって文章を書いている時点で、スレイブ中村的「ばりばり」には到達していないのです、きっと。
 ちょっと客観視できたところで、今日はおしまいにします。

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